開催日:平成19年12月9日(日)場所:大分県総合社会福祉会館3階大研修室
スケジュール:12:40―12:50 挨 拶 大分県地球温暖化防止活動推進センター長 三浦 逸朗12:50―13:10 講 演 県の温暖化対策の実績と今後の推進員の役割 大分県生活環境部生活環境企画課主幹 御沓 稔弘 氏13:10−13:50 講 演 環境の変化による災害について 社会福祉法人大分県社会福祉協議会 村野 淳子 氏13:50−14:20 講 演 「橋渡し役としての使命 〜全国のなかまたちのとりくみ〜」 全国地球温暖化防止活動推進センター 太田 統 氏14:30―17:00 講演・ワークショップ 推進員としての活動計画づくり講師・進行役:全国地球温暖化防止活動推進センター 太田 統 氏(17:00終了)
19年度最終の推進員研修会であり、来年度の推進員活動も視野に入れた講座とするため、必須事項であると考え、大分県の実態説明に関しての講座を大分県にお願いした。
市民活動を、地域との密着度、全国的な規模までの連携、歴史的な深み、等々で捉える時、地球温暖化対策に係る活動は、災害支援・救助に関するボランティア活動を先輩として学ぶべきところ多大であると考える。そこで、社会福祉法人大分県社会福祉協議会の村野淳子氏に、災害支援ボランティアの人員動員の仕方、組織の作り方、災害時の活動を主体とする組織が災害を防止するために活動する実態、等々についての事例を踏まえた講演をお願いした。
かねてより推進員から「他県での推進員活動の実態を知りたい」との希望が多く寄せられていたこともあって、全国地球温暖化防止活動推進センターにお願いして、「他県での推進員活動の事例」を中心に、「京都議定書約束期間が始まる直前の推進員のなすべき活動と心構え」についての講演をお願いした。講演に引き続いて、講演で取り上げられて事例を参考に、翌年度の活動方針・計画作りをテーマとするワークショップに入った。しかし、ワークショップに先立つ講話の時点で、推進員から講師に、他県と大分県での実状の違いを勘案した活動のあるべき姿、首都圏とローカル大分県との活動実態の相違点及び首都圏がローカルを評価する基準や基礎、等々に関する質疑が多く出された。それと同時に、その質疑に関する推進員相互の意見交換がなされ、ワークショップに予定していた時間帯の殆どが費やされる結果となった。
第1回の推進員研修会では、ワークショップを一緒に受講して貰う形式を採用したが、第1回の6月の時点では、推進員になるまでに半年以上あって、その間推進員と共に活動し実践してもらう事が望まれたため、相互連携を重視して午後の全てを合同開催とした。だが、第3回の場合は、推進員委嘱まで期間も短く、推進員になって如何に活動してもらうかの方が重要であると考え、全国地球温暖化防止活動推進センター・太田氏の前半の講演までは同時受講して貰い、ワークショップは、具体的な20年度の活動を志向した別個のワークショップを開催した。
事業名称:第3回推進員研修会開催日時:平成19年12月9日(日) 40分間場所:大分県総合社会福祉会館3階大研修室参加対象:推進員講師発表者:御沓稔弘氏(大分県生活環境部生活環境企画課主幹)司会者:三浦逸朗参加者:?
テーマ:県の温暖化対策の実績と今後の推進員の役割
【当講座の目的・目標】大分県の行政としての計画である「大分県新環境基本計画」の基本方針を学び、行政と推進員が一体となって地球温暖化対策に取組まなければなりません。また、計画されたものをどのように実行し、達成できているのかを把握しなければなりません。前回の速報値では、既に排出量削減の達成が出来ていないことを県から報告されました。本講座は、計画を正確に理解し、今回、どのような原因で削減に至らなかったかを考え、推進員がどのようなに行動することで家庭部門の目標が達成できるのかについて県の意見を聞きながら考えることを目的とする。
【講師からのコメント】地球温暖化対策におけるそれぞれの役割を十分理解した上で、計画的に対策を講じなくてはなりません。特に、家庭部門において啓発活動のみでは、一向に進まない閉塞感を感じているのではないかと思います。県民に地球温暖化の重要性を伝え、行政レベルと市民レベルが一体となって進め、来年は、ぜひ排出量を削減しましょう。
【内容】大分県では、「大分県地球温暖化対策地域推進計画」での具体的取組みとして、「CO2ダイエット推進事業」を展開し、オフィスから始めるCO2ダイエット事業として、県が率先して県庁内での削減を目的とした“エコスタイルキャンペーン”による約60t-CO2削減、県職員によるノーマイカーデー運動で約25.4t-CO2t削減(H18.4〜H19.3)、また、後付でアイドリングストップ装置を移動に自動車を多く使う各県民保健福祉センターに導入し、アイドリングストップ推進に取組んでいる。家庭部門では、“地球環境家族”を募集し、1064の家庭が登録し、省エネチェックシートを利用した環境対策に取組んで頂いている。推進員には、ぜひ地球環境家族への登録と地域での参加の呼びかけをして頂きたい。また、地域の事業所への訪問も定期的に、県センターと行っているので、推進員が活動している地域で行う際は、ぜひ参加ください。
【センター長・三浦からの一言】(当研修の成果)県も様々な取組みをしていることを再認識しました。県センターでも、小学校でのエコチェックシートを利用した家庭でも行える地球温暖化対策の取組みをしてきましたが、今後は事業所向けの事業としてエコアクション21を利用した中小企業の温暖化対策にも取組みたいと考えています。
事業名称:第2回推進員候補者研修会第3回推進員研修会開催日時:平成19年12月9日(日)場所:大分県総合社会福祉会館3階大研修室参加対象:推進員及候補者講師発表者:村野淳子氏(社会福祉法人大分県社会福祉協議会)司会者:三浦逸朗参加者:?
テーマ:環境の変化による災害について
【当講座の目的・目標】地球温暖化による災害の被害が急増している。数はそれほど増えていないが、規模が大きなものが多発し、大分県でも多くの被害が発生している。本講座は、災害復旧の最前線で活躍されている方を講師に迎え、災害による経済損失や生活基盤喪失による問題など、地球温暖化対策が、減災害になるという新しい切り口でお話しをして頂き、身近な問題として地域住民の説明の話題提供を目的とする。
【講師からのコメント】災害復旧のプロですが、地球温暖化については、まったく素人です。今回、県センターさんより「地球温暖化対策が減災害につながる」というキーワードを頂き、現在、大分県内でどのような災害が多発し、どのくらい被害を受けているかの事例を通しながら、災害のこの数年の傾向について報告します。
【内容】ここ数年の台風は、規模が大きくなってきています。特に、一瞬の降水量が多く、河川が氾濫し、床下浸水などの被害増えています。また、九州の森林は、戦後の拡大造林で、杉桧林が特に全国でも多い地域ですが、外材の影響による林業の衰退で、山が手入れされておらず、放棄地による流木による被害も増えてきています。その上、雨の水は、表層を流れ山林に蓄えられないと聞いています。これまで災害関係者への講座は多く行ってきましたが、地球温暖化についての講座は初めてです。県センターが言われる、地球温暖化対策が減災害につながるというキーワードは、災害系としても新鮮で、それぞれの分野で協力し合い、より大きな運動へとつなげることが可能であると考えます。現在、災害ボランティアネットワークを構築して、行政・企業・NPOなどを巻き込み1086名の方々と活動しています。今後は、この機会にお互いが有機的につながり、災害が起きにくい環境にむけて行動することが重要です。
【センタースタッフからの一言】【センター長・三浦からのコメント】(当研修の成果)県センターの運営母体であるNPOは、大分県災害ボランティアネットワークの運営委員でもあり、地球温暖化と災害のそれぞれのネットワークを有機的に結びつけていきたいと考えています。
事業名称:第2回推進員候補者研修会第3回推進員研修会開催日時:平成19年12月9日(日) 30分間場所:大分県総合社会福祉会館3階大研修室参加対象:推進員及候補者講師発表者:太田統氏(全国地球温暖化防止活動推進センター)司会者:三浦逸朗参加者:?
テーマ:橋渡し役としての使命〜全国の仲間の取組み〜
【当講座の目的・目標】各地域での推進員の活動は、様々で、大分県温対センターの運営し、今年で2年目、やっと皆様の顔や活動が見えてきました。その中で、素晴らしい活動はしているけれど、なかなか地域住民には、地球温暖化防止活動推進員の認知は低いと感じています。同様に、県センターも同じ悩みを抱えています。本講座は、全国地球温暖化防止活動推進センターの職員をお招きして、メディアを利用した地域住民を巻き込んだ全国の事例を紹介して頂きながら、今後の活動の参考にすることを目的とする。
【講師からのコメント】それぞれの活動をもっと多くの地域住民に知っていただくために、上手にメディアを活用してください。IPCC第4次レポートやゴア氏の「不都合な真実」など地球温暖化を取上げた番組が増えています。メディアも推進員が活動している温暖化活動について取材したいと考えています。ぜひ上手にメディア関係者を巻き込みましょう。
【内容】来年2月に、東京で行われる「温暖化対策『一村一品・知恵の環づくり』事業」の全国大会の準備をしています。この大会はある意味、全国の素晴らしい先進事例の情報共有の場になればと考えています。この大会は、今後2年継続します。ぜひ、参加していただき県代表になれれば、多くのメディアに露出し、地域住民にも知って頂き、活動の環が広がると確信しています。すでに、多くの都道府県センターから県代表の資料が届いていますが、どれも素晴らしい事例です。全国センターとしては、この素晴らしい事例をメディアと連携して、より多くの国民に伝え、国民運動になることを目指しています。また。これらの事例は、未定ではありますが、ある程度目に見えるような媒体にして、都道府県センターを通して、地域協議会や推進員の活動の参考にして頂ければと考えています。来年からいよいよ京都議定書の約束期間です。地球温暖化防止というひとつの目標に向かい、全国センターも県センターの支援を行いますので、県センターと共に、メディアを活用しながら、地域住民の橋渡し役として期待しています。
【センター長・三浦からのコメント】(当研修の成果)県センターも本年度から始まった「温暖化対策『一村一品・知恵の環づくり』事業」を通して、メディアとの接触も増え、他事業でも記事にしていただける機会が増えました。今後は、地域協議会や推進員の情報配信のお手伝いをこれまで以上に協力体制を構築したいと思いました。
事業名称:第3回推進員研修会開催日時:平成19年12月9日(日) 150分間場所:大分県総合社会福祉会館3階参加対象:推進員講師発表者:太田統氏(全国地球温暖化防止活動推進センター)司会者:太田統ほか参加者:?
テーマ:推進員としての活動計画づくり
【当講座の目的・目標】各推進員にこれまでの活動や今後の活動予定、県センターへの要望などを聞いたアンケートを事前に記入して、事前に講師に見て頂き、それをもとに、各推進員の活動の評価と今後の活動に向けて全国の先進事例を紹介しながら、計画を立てることを目的とする。
【講師からのコメント】全国地球温暖化防止活動推進センターとして、日頃からお世話になっています。日本の温室効果ガス目標を削減するどころか増加している現実を直視し、地球温暖化防止に向けて頑張りましょう。
【内容】事前に大分県温対センターより頂いたアンケートに目を通しました。皆様の地域活動が活発なこと、大変うれしい限りです。しかしながら、ご承知の通り、温室効果ガスは増え続け、京都議定書の約束は守れそうにありません。相変わらず家庭部門も排出量が増えており、目に見える活動が急務です。その観点からアンケートを拝見すると、どちらかと言うとイベント的なものや座学で行動に結びつきそうにない事例が多く見られました。今後は、「知っている」から「行動している」への意識改革を推進員自身も含め、地域住民を巻き込まなければなりません。先ほど、県センターの三浦氏から紹介のあった山形県高畠町の「笑エネキャンペーン」のような、誰もが参加して楽しく、町内全域を巻き込む国民運動を展開しなければなりません。当然、推進員ひとりではこのような大掛かりなことは出来ませんが、地域協議会や県センターなどとの連携で可能ではないかと考えます。現在、大分県では、県と県センターが協力して地域協議会設立に力をいれ、6地域にも広がっています。また、先ほど紹介した温暖化コンテストを推進員の地域で取組んでみたらいかがですか?大分県内でも、中津の協議会は、すでに様々な活動をしているのを、県センター主催の「おおいた環境展」で拝見しました。思いつきではなく、様々な情報が、県センターを通して配信されています。地域の実情を考慮しながら、温暖化コンテストの事例を全国センターが取りまとめますので、それを参考にして計画づくりを行ってください。
【センター長・三浦からのコメント】(当研修の成果)推進員のそれぞれの思いと活動に対して改めて敬意を表したい。地域での活動は多岐にわたり、これらの地域活動を有機的に結び、持続可能な社会構築をするためにも、益々県センターとしても頑張らなければならないと感じた。
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